アライグマが東京で繁殖、動物写真家が親子連れを撮影
朝日新聞 5/8
埼玉県日高市の動物写真家鈴木欣司さんが、北米原産のアライグマが東京都青梅市内で親子で行動する様子を撮影した。移入動物に詳しい池田透・北海道大学大学院助手(社会生態学)は「この写真で都内での繁殖がはっきり確認できた」という。
東京では西多摩地区を中心に、数年前からアライグマの姿が目撃されている。鈴木さんが昨年秋に青梅市内で撮影したのは、母親のアライグマが3匹の子どもを連れているところ。その後も観察を続け、子どもたちが親元を離れ独立したことも確認した。
アライグマはペットとして人気があるが、成長すると気性が荒くなるため、飼い主の手に負えなくなって放棄されるケースも多い。池田助手によると、これまでに北海道、神奈川、愛知、岐阜、和歌山などで繁殖が報告され、一部で農作物の食害が問題となっている。野鳥の巣を襲うなど、在来の野生生物への悪影響も心配されている。
鈴木さんは「エサをめぐってライバル関係にあるタヌキの数が、皮膚病のまん延などでかなり減った。その生態系のすき間にうまく入り込んで、アライグマが増え始めたのではないか」と話す
親子で行動するアライグマ=東京都青梅市内で(動物写真家の鈴木欣司さん提供)
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